
2025年11月に発足した高市早苗政権は、今後の日本の進む道として「17の戦略分野」を掲げている。この「17の戦略分野」とは「危機管理投資」と「成長投資」を軸とした、日本の供給力を抜本的に強化することを目的とした重点投資対象のことを示すのだが、公式に挙げられている主な分野は、先端テクノロジーでは①AI・半導体、②量子技術、③合成生物学・バイオ、④創薬・先端医療である。また、フロンティア・交通の分野では⑤ 航空・宇宙、⑥造船(海運再始動)、港湾ロジスティクス、⑦次世代モビリティ、さらに安全保障・リスク対応では⑧防衛産業、⑨サイバーセキュリティ、⑩重要鉱物(レアアース等)が列挙され、加えてエネルギー・資源の分野では⑪フュージョンエネルギー(核融合)、⑫資源・エネルギー安全保障、⑬GX(グリーン・トランスフォーメーション)、そして社会課題・強みの分野では⑭食料安全保障(フードテック)、⑮医療健康安全保障、⑯防災・国土強靱化、⑰アニメ・ゲーム等のコンテンツ産業の17項目である。これらの一つ、GXに着目する。GXとは、化石エネルギーに依存している経済・社会・産業の構造を、非化石エネルギー中心の構造に移行させるための変革を指すもので、あくまでも手段にすぎない。これを用いて「カーボンニュートラル」や「脱炭素」を社会に実装することを目指している。高市政権は内閣府に日本成長戦略本部を設置、GXの具体的な手段について話し合う会議が政権発足後すぐに持たれた。日本成長戦略会議がそれだ。この会議ではリスクや社会課題に対し、先手を打った官民連携の戦略的投資を促進し、世界共通の課題解決に資する製品とサービス、それに資するインフラを提供することにより、日本がより一層経済の成長を実現していこうというものだ。具体的手段の選定についてはさらに作業部会での議論を経て、そこでペロブスカイト太陽電池やグリーン鉄、水素・アンモニアが挙がり、これらに関する国内需要喚起や海外展開に向けたロードマップを策定した。さらに2月の衆院選では自民党がGXの具現化として、35年までにペロブスカイト太陽光電池を公共施設に500万キロワット程度導入する目標を掲げている。現状を打破し、次世代型への転換と需要創出に向けて、政府調達を最大限活用することを目指すというものに、ペロブスカイト太陽光電池が挙がっているのだ。

