観葉植物のコーナーで見かけるまるっこい根っこ(気根) と艶やかで肉厚な緑色の葉が印象的な植物、ガジュマル。
今回は、ガジュマルを室内で育てるコツについてお教えします!
ガジュマルとは?
ガジュマルは熱帯から亜熱帯地方に分布する常緑高木で、クワ科・イチジク属(フィカス属)の植物です。乾燥や寒さに強く、非常に強い生命力で知られています。
鳥やコウモリにその実を食べられ、糞(ふん)として排出された種は、土台となる植物や岩のくぼみなどで発芽するほど。
土台となった植物に寄生しながら幹が枝分かれし、気根(地上茎から出た根)を地面に向けて伸ばします。このとき土台を締め付けながら伸長することから、「絞め殺しの木」の別名があることでも有名です。
気根はいくつにも分岐して成長するので、この特徴的な形状からタコノキとの異名があるほどです。
東南アジアを中心としてインドやオーストラリアなど幅広い地域に自生しており、日本には明治に入ってから輸入され、防風林として植栽されていたとされます。
ガジュマルに関するトリビア
<花言葉は健康>
まるで別の生きもののようにうねる気根が特徴のガジュマル。低木や岩などの上で発芽すると、はじめのうちはごく細い気根も地面に達すると幹のように樹皮が発達します。成長した気根はアスファルトやコンクリートを突き破ることもあるとか。
花言葉の「健康」はその強い生命力や気根のたくましさに由来するのかもしれません。
<精霊キジムナー>
沖縄県では、ガジュマルは「幸福をもたらす精霊が宿る木」「精霊の住む樹」「多幸の木」と呼ばれます。特にガジュマルの古木にはキジムナーという精霊が住んでいるといわれます。
たしかディズニーのリロアンドスティッチ沖縄編にはキジムナーが友人として登場した記憶が・・・・・・。
<ガジュマルと風水>
「多幸の木」と呼ばれるガジュマルは風水アイテムとしても人気があり、特に金運向上に効果があるといわれています。
ガジュマルを室内で育てる?
ガジュマルは種や挿し木で育てることが可能です。今回は室内で育てることを前提に観葉植物として育成する場合をご紹介しますね。
→日当たりは?
ガジュマルは日光を好む植物です。とはいえ、夏の直射日光は葉焼け(葉が日焼けして使いものにならなくなること)を起こして植物の体力を奪ってしまうので、くれぐれも日向に置きっぱなしにはしないように。
→置き場所は?
観葉植物は室内の置き場所をいろいろと変えることができることも利点のひとつ。明るい日向で風通しの良いところに置いてあげましょう。
→温度は?
耐寒性があるとはいえ、10℃を切るところではいくらなんてもガジュマルには厳しいです。
ですから冬は根が凍らないよう室温で10℃前後のところに置いてあげましょう。
5℃を着るようなところだと、ガジュマルは寒さから枯れてしまいます。気を付けましょうね。
一方、夏は直射日光を避け、明るい日向に置くようにします。日光が大好きなガジュマル、夏の強い日差しは遮光して当ててあげるとよいですね。
→用土は?
クワ科の植物なので、弱酸性の土を好みます。ピートモスをすき込んだ水はけの良い土が室内で管理するには向いています。
というのも、室内で管理する場合は保水性が高いと苗が蒸れてしまうからです。
ガジュマルは高温多湿を好むとはいえ、限度があります。
水はけの良い土を使って水やりを調節した方が苗の管理には向いています。
ガジュマルを育てるポイント
→元気な苗を選びましょう!
私が子どもだった頃、「犬の飼い方」や「猫の飼い方」というハウツー本がありましたが、その冒頭に書かれているのは「元気のいい、健康な子犬・子猫を選びましょう」でした。
植物も同じです。根がしっかりと張り、葉などが美しく元気なものがよいでしょう。
ガジュマルは特にアブラムシやカイガラムシなどが付いていないことを確認します。
いずれの害虫も駆除には時間がかかりますし、放っておくとガジュマルの本体自体を弱らせる揚げ句、隣接するほかの植物にも映ってしまう可能性があるからです。
ガジュマルを育ててみよう!
苗を入手しましょう。
苗をよく観察してみましょう。鉢から根があふれんばかりにパンパンに張っていたら、植え替えをします。鉢の大きさは、元の鉢よりも一回り大きい程度。あまりに大きいと根が水を処理しきれず弱ってしまいます。
今回は室内での管理を考えて、観葉植物専用の土かハイドロカルチャーに仕立てる場合はハイドロボールを使用します。
植え替えた直後から1週間は明るい日陰で管理します。
水やりは、植え替え直後は2日に1回程度。葉水(霧吹きで葉に水を拭きかけること)は毎日行います。
直射日光に当たらない、明るい日向に置きます。
植え付けから1週間経過して植物が新しい鉢になじんだ頃に、明るい日向に置きます。
この時、直射日光が当たらないようにしましょう。葉焼けを起こして植物が弱ってしまいます。
水やりは午前中に。できれば光合成の行われる前に済ませましょう。
水やりは夏と冬とでは管理のしかたが異なります。
<春・夏の水やり>
ガジュマルは春~夏にかけて成長します。成長の旺盛なこの時期は、水を切らさないようにたっぷりと与えましょう。水やりは朝方か夕方。日中の暑い中で水を与えると、植物の根は熱いお風呂に入っているのと同じ状態になってしまい、くたびれてしまいます。
<秋・冬の水やり>
晩秋から冬の季節、室温が10℃前後の場合、ガジュマルの成長は緩慢になります。この時期水を与えすぎるのはガジュマルにはよくありません。
お水の量も減らして、乾燥させないようにする程度にとどめます。与えるお水は、室内に慣らしたお水にします。
冬場は葉水をやる程度にとどめてもよいほど。ガジュマルは根よりも葉から水を取り入れる能力が高いのです。
肥料を与えましょう。
室内でガジュマルを管理する場合、1カ月に2回ほど、液肥(液体肥料)を与えます。どうしても室内だけでは光合成が追い付かないのです。与えかたは液肥の説明書をよく読んで与えるとよいでしょう。
植え付け直後は肥料を与えることは控えますが、植え付けから2週間程度経過したら、液肥を与えます。
<小バエに注意!>
有機肥料をあたえると、小バエの発生源にもなりかねません。できれば化成肥料で小バエの発生を抑えましょう!
剪定(せんてい;トリミングのこと)をしましょう。
室内でガジュマルを管理するとき、野放図に伸ばしていては見栄えが悪くなる一方ですし、コンパクトな管理が難しくなります。
ガジュマルの葉が茂ってきたら、はさみで形良く整えましょう。生命力が旺盛な植物なので、思い切って丸刈りにしても大丈夫。しばらくしたら枝が生えてきますよ。
トリミングした枝を挿し木して、個体を増やすこともできます。
枝を切ると切り口から白っぽい液が出てきます。この液でかぶれる人もいるので、衣服が汚れた場合はすぐに洗い流してくださいね。
最後に
いかがでしたか?ガジュマルを室内で育てるのは意外に簡単だと思いませんか?
ガジュマルは風水的にもパワーのある木だと言われています。また、空気も浄化する力を持っているとも聞きます。
ゆっくりといやされたいとき、グリーンインテリアはさりげなくあなたに寄り添ってくれます。
ガジュマルは育てやすさが自慢の植物。生き生きとした緑の葉や旺盛な生命力で、疲れたあなたの心の癒やしになってくれることは間違いありません。
あなたもマイ・ガジュマルを手に入れてみてはいかがでしょう?