無機質でシンプルなお部屋もすてきだけれど、生きものの温かみが欲しい。でも犬や猫の飼育はちょっとハードルが高すぎるという方、意外に多いはず。
そんな人でも気軽に始められるのがグリーンインテリア、今はやりの小さめの多肉植物や観葉植物です。
今回は初心者でも扱いやすい多肉植物と観葉植物をご紹介します。
多肉植物って?
多肉植物(たにくしょくぶつ)とは、葉や茎、または根の内部の柔組織(じゅうそしき)といわれるところに水を貯めている植物全般を示します。
水を貯めるだけに、砂漠や海岸のような乾燥地帯に生育するものが多く、多肉植物のうちサボテン科がもっとも種類の多いグループ。
そのため一般的には「サボテン」とそれ以外の「多肉植物」とに分けて呼ばれることが多いです。
要するに、サボテンは多肉植物の一種なのですね。今回は一般的な分類に従って、多肉植物の中から選んでみました。
手軽に入手できる多肉&観葉植物
今回ご紹介する多肉植物と観葉植物は、ホームセンターや100均などで入手しやすく、室内で育成しやすいものです。
お部屋の雰囲気や置き場所によっても変わりますが、今回はちょっとしたスペースにさりげなく置いても苦にならない小さめのものをチョイスしています。
それではさっそく見ていきましょう!
レックスベゴニア エスカルゴ(観葉植物)
シュウカイドウ科ベゴニア属の園芸品種のひとつ。インドのアッサム地方原産のベゴニア・レックスに品種をかけ合わせて作出された観葉ベゴニアです。エスカルゴはその名の通り、葉の基部が渦巻き状に巻き込みカタツムリのようなユニークな姿をしています。
性質は直射日光の当たらない明るい日陰の、やや湿度の高い場所が好き。温和な気候を好みます。寒さには比較的強くて、凍らせさえしなければ、落葉しても暖かくなった春以降に新芽を出します。これがつやつやでとても美しいのです。
日陰でも育ちますが、明るい日陰に置くと巻きがキリっとしてまた味わいが違ってきます。観葉植物だけあって葉の美しさもあるのですが、エスカルゴは可憐(かれん)な白い花を咲かせるのもお得感がいっぱいです。
ハオルチア 十二の巻き(多肉植物)
南アフリカ原産の、ユリ科ハオルチア属のひとつです。十二の巻きは「硬葉系ハオルチア」に分類されます。先端が細長くとがった葉を放射状に出し、やや肉厚の細長い葉の外側に白い横しま模様が立体的に入ります。なんというか、クッキーのアイシングみたい。霜降りが立体的で美しいです。
この植物も温和な季節がお好み。日本の気候では春・秋によく生長し、夏や冬は生育が緩慢になるか休眠します。休眠とはまさに眠ってしまうので、お水をやり過ぎてはいけないのよね。
葉色や横縞の姿が異なる品種もあります。個体差が大きいのも特徴です。代表的なものに、白い模様の幅が広い「ワイドバンド」や黄色っぽい縦縞がぼんやり入る「白蝶」、葉っぱが短い「ショートリーフ」などがあります。
高さはせいぜい15cm程度の小型種で、株元からよく子株を吹きます。春から夏にかけて細い花茎を長く伸ばし、茶色い筋の入った白い花を数輪咲かせます。とても小さくてさえない感じの花もかわいいですよ。
セダム 乙女心(多肉植物)
メキシコ南部原産のセダムの仲間です。葉は淡い緑色で、表面は極薄くおしろいをはたいたような質感で、先端はほんのりと紅をさしたように色づきます。それが『乙女心』という園芸名につながったのでしょう。
和名は『アツバベンケイ』。葉姿からジェリー・ビーンズ・プラント(jelly beans plant)やメニー・フィンガーズ(many fingers)の英名があります。
日当たりを好み、夏の暑さや湿気に気をつければ、地植えで栽培することもできます。草丈は20cm~30cmにもなり、株が一定の大きさに生長すると、春先に黄色い星形の花を花茎の先端にまとまって咲かせます。
ジュエルオーキッド(観葉植物)
ジュエルオーキッドは、洋ランの一つで、葉の美しさを楽しみます。その葉は全体にみずみずしい多肉質のものが多く、ビロードのような質感で、葉脈はきらきら光ることからこの名前が付けられました。
南アジアから東南アジア原産のものが多く、森林内の暗く湿った地表に生える常緑性多年草です。室内でも直射日光を避け、カーテン越しの柔らかい光か半日陰で湿度を保って栽培します。
エケベリア ローラ(多肉植物)
エケベリアは、幾何学的な形の葉が重なってロゼットを形成する多肉植物です。メキシコを中心に中南米に約180の原種があり、数多くの園芸交配種が。ローラもそのひとつ。緑色の陶器のような質感の葉が美しくロゼット型にひろがります。
はっぱそのものがお花のように美しいエケベリアですが、晩秋から春にかけて日によく当てると葉がきれいに紅葉します。
さらに初春から夏にかけては小さいながらも色鮮やかな花を咲かせます。1年を通じてさまざまな表情を見せてくれる多肉植物もあるのですね。人気が高いのもわかります。
まとめ
いかがでしたか?今回ご紹介した多肉植物と観葉植物は、室内で手軽に育成できるモノばかり。すべてちょっとした手入れでゆっくりと静かに成長してくれます。
静かな時間の流れを見るように、じっくり観察してみてください。それはなんというか、生きもののあたたかみというか静かな息遣いが感じられる瞬間でもあります。
無機質でシンプルなお部屋に、多肉&観葉植物はアクセントとして、ちょっとしたインテリアとして最適です。次回は購入した観葉植物や多肉植物の、自作の鉢への植え替えについてご紹介します。